【令和8年最新版】生活介護とは?指定基準・人員配置・報酬・設備基準を行政書士が解説
生活介護/障がい福祉(障がい者)
この記事では次の内容が5分で分かります。
✅ 生活介護とは
✅ 指定基準
✅ 設備基準
✅ 人員基準
✅ 報酬
✅ 加算・減算
生活介護とは?
生活介護とは、常時介護を必要とする障がいのある方に対して、主として日中に、入浴・排せつ・食事等の介護、生活等に関する相談や助言、創作的活動・生産活動の機会などを提供する障がい福祉サービスです。
就労継続支援A型・B型や就労移行支援と同じ「日中活動系サービス」の一つですが、生活介護では、介護や日常生活上の支援を必要とする利用者への支援が中心となります。
生活介護は、事業所で作業をする事業所もありますし、作業を行わない事業所もあります。また、就労継続支援A、B型に義務付けされている就労会計の適用はされません。
生活介護の対象者
生活介護は、地域や入所施設等で安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な方を対象とするサービスです。
原則として、次のいずれかに該当する方が対象となります。
① 障害支援区分3以上の方
② 50歳以上の場合は障害支援区分2以上の方
このほか、障害者支援施設に入所する方などについては別途取扱いがあります。
利用できるかどうかは、年齢だけでなく障害支援区分や利用者の状況等によって判断されます。
日中系障がい福祉サービスの中での生活介護

生活介護は、就労継続支援A型・B型や就労移行支援とは異なり、就労を中心としたサービスではありません。
利用者の日常生活上の介護や支援、創作的活動、生産活動などを提供することが大きな特徴です。
指定のための要件
1 法人格があること
2 事業所の物件、間取りが適法であること
3 人的要件を満たしていること
4 その他
特に新規開業では、物件を契約してから設備基準等を満たせないことが判明するケースや、想定していた職員配置では人員配置基準を満たせないケースに注意が必要です。
生活介護の人員配置基準
| 職種 | 配置数 | 常勤要件 | 備考 |
| 管理者 | 1名以上 | なし | |
| サービス管理責任者 | 1名以上 | あり | 60:1 |
| 医 師 | なし | 嘱託可 | |
| 生活支援員 | 1名以上 | 1人以上は常勤 | |
| 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 | 必要な場合は配置 | ||
| 看護職員 | 1名以上 | なし | |
| 生活支援員、理学療法士または作業療法士、言語聴覚士、看護職員の総数は、常勤換算で
平均障害支援区分が4未満 6:1 平均障害支援区分が4以上5未満 5:1 平均障害支援区分が5以上 3:1 |
|||
※上記では、管理者とサビ管の兼務が可能、医師を未配置の場合は減算
原則として医師の配置・嘱託が義務付けられています。
また、人員配置体制加算等を算定する場合には、基本となる人員配置基準を超えて職員を配置する必要があります。
生活介護の設備基準
| 設 備 | 要 件 | 備品 |
| 訓練作業室 | サービス提供に支障のない広さを備えること。大阪市は利用者一人当たりの面積が3.0㎡。最低定員が20名であることから訓練指導室の最低面積は60㎡が必要。 | |
| 相談室 | プライバシーに配慮できる空間にすること | |
| 多目的室 | 相談室と兼務も可能 | |
| 洗面所・トイレ | トイレ手洗いと洗面所の兼用は不可 | アルコール消毒液、ペーパータオル |
| 事務室 | 鍵付き書庫 |
ただし、指定基準を満たしているだけで物件が使用できるとは限りません。
建築基準法・消防法・用途地域その他の関係法令について確認が必要になる場合があります。
生活介護は一定の面積を必要とすることも多いため、物件契約前の確認が非常に重要です。
生活介護の基本報酬(定員11人から20人) 令和6年度版
生活介護の基本報酬は、主に、
「利用定員」
「利用者の障害支援区分」
「サービス提供時間」
などによって変わります。
特に令和6年度報酬改定以降、生活介護ではサービス提供時間に応じた報酬体系となっているため、単純に「1日利用すれば同じ報酬」という考え方ではありません。
| 所要時間
(標準的な時間) |
障害支援区分 | ||||
| 区分6 | 区分5 | 区分4 | 区分3 | 区分2以下 | |
| 3時間未満 | 517単位 | 386単位 | 268単位 | 239単位 | 218単位 |
| 3時間以上~4時間未満 | 646単位 | 483単位 | 335単位 | 300単位 | 273単位 |
| 4時間以上~5時間未満 | 774単位 | 578単位 | 401単位 | 358単位 | 327単位 |
| 5時間以上~6時間未満 | 904単位 | 676単位 | 469単位 | 419単位 | 381単位 |
| 6時間以上~7時間未満 | 1258単位 | 941単位 | 652単位 | 583単位 | 532単位 |
| 7時間以上~8時間未満 | 1291単位 | 966単位 | 669単位 | 598単位 | 545単位 |
| 8時間以上~9時間未満 | 1353単位 | 1027単位 | 730単位 | 660単位 | 607単位 |
※ 所要時間9時間以上から延長支援加算を算定
「所要時間」による区分については実際に要した時間により算定されるのではなく、個別支援計画に記載された「標準的な時間」に基づき算定されます。
この所要時間については原則送迎に要する時間は含みません。
生活介護の加算
届出が必要な加算
| 加 算 | 内 容 |
| 送迎加算 | 利用者を自宅等に自動車で送迎した場合に加算 |
| 福祉専門職員配置加算 | 良質な人材を確保するために資格等を持った福祉専門職員を配置等した場合に加算 |
| 人員配置体制加算 | 手厚い体制をとっている場合に加算 |
| 常勤看護職員等配置加算 | 看護師が常勤換算で1人以上などの条件で配置された場合に加算 |
| 食事提供加算 | 調理などをした食事を利用者に提供した場合に加算 |
| 就労移行支援体制加算 | 生活介護を利用後、6か月以上、利用者が一般就労を継続した場合に加算 |
| 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算 | 視覚・聴覚・言語機能に障がいを有する利用者が一定数以上で専門職員を配置した場合に加算 |
| 重度障害者支援加算 | 重度障害者に対して手厚い支援を行った場合に加算。 |
| リハビリテーション加算 | 理学療法士などが中心となり利用者ごとにリハビリテーション計画を作成し、個別リハビリテーションを行う場合に加算 |
| 延長支援加算 | 延長支援加算は、営業時間が8時間以上の事業所で、営業時間の前後に延長としての利用がある場合に算定が可能な加算です。 |
| 体験利用加算 | 一定条件のもと体験利用を行った場合に加算 |
| 福祉・介護職員処遇改善加算 | 福祉介護職員に対してキャリパス等の要件を満たすことで加算 |
届出が不要な加算
| 加 算 | 内 容 |
| 初期加算 | 新規利用者が利用開始日から起算し30日以内に利用した場合に加算 |
| 欠席時対応加算 | 利用予定がある日に急病等でキャンセルがあった場合に利用を予定していた日の前々日、前日、当日にキャンセルの連絡があった場合に加算 |
| 訪問支援特別加算 | 従業員が利用者宅を訪問し相談援助を行った場合、月2回まで加算 |
| 利用者負担上限月額管理加算 | 報酬請求時に上限管理事務を行う利用者負担上限管理事業所に対して加算 |
※代表的なものを記載しています。
生活介護の減算
| 減 算 | 内 容 |
| サービス提供職員欠如減算、サービス管理責任者欠如減算 | サービス管理責任者、世話人、生活支援員が人員基準を満たすことができない場合に減算 |
| 個別支援計画未作成減算 | 個別支援計画の作成が行われていない場合に減算 |
| 定員超過減算 | 定員を一定割合で超過した場合減算 |
| 医師未配置減算 | 医師を配置していない場合に減算 |
| 短時間利用減算、開所時間減算 | 利用時間や開所時間が短い場合に減算 |
| 身体拘束廃止未実施減算 | 身体拘束の適正化についての取り組みを行っていない場合に減算 |
| BCP未策定減算 |
BCP(業務継続計画)を策定していない場合等に減算 |
生活介護の指定基準や押さえるべきポイントについて
生活介護を開業するときに特に注意したい3つのポイント
1 物件を契約する前に確認する
生活介護では、利用者が日中活動を行うためのスペースが必要になります。
障害福祉サービス上の設備基準だけでなく、建築・消防等について確認が必要となることもあります。
そのため、物件を契約する前に指定申請に使用できる物件なのかを確認することが重要です。
2 人員配置と報酬をセットで考える
生活介護は、単に最低限の人員配置基準を満たせばよいわけではありません。
利用者の障害支援区分、看護職員等の配置、加算の算定などによって収入・人件費が大きく変わります。
開業前に人員配置と報酬をセットで検討することが重要です。
3 利用者像を明確にする
生活介護といっても、事業所によって利用者像は大きく異なります。
重度障害者を中心に受け入れるのか、医療的ケアへの対応を行うのか、生産活動を取り入れるのかなどによって、必要な職員や設備も変わります。
「どのような利用者を受け入れる事業所なのか」から逆算して開業計画を立てることが重要です。




