就労継続支援B型の特徴と指定基準について
就労継続支援B型の特徴と指定基準について
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型は一般に「就B」・単に「B型」と呼ばれる場合があります。
B型は一般企業などに雇用されることが困難な障がいのある方に対し、生産活動などの機会の提供、知識および能力の向上のために必要な訓練などを行います。
A型とは異なり、雇用契約は締結しませんが、工賃の支払いが必要になります。
A型と同じく利用期間の制限はありません。
日中系サービスの体系
就労継続支援B型の事業所推移
平成27年時の事業所数は全国で9698であったが、令和4年には15748事業所数となり1.6倍増加している。
(厚生労働省「就労継続支援B型に係る報酬・基準について≪論点等≫」 引用)
令和6年度報酬改定で他の通所サービス(就労継続支援A型や生活介護)の基本報酬が事実上引き下げらましたが、就労継続支援B型は工賃計算の変更や人員配置基準6:1の導入で、算定が増加している事業所が多いため、今後も事業所増加すると考えられます。就労継続支援A型から就労継続支援B型への転換も増加すると考えられます。
就労継続支援B型のメリット
- 利用者を雇用する必要がない
- 利用者に支払う金額は時給ベースではなく、工賃
- 労働時間の縛りが緩い
- 65歳を超えても利用できる
就労継続支援B型の対象者
(1) 就労経験があるものの、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
(2) 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者(例:65歳以上でも可能)
(3)(1)(2)に該当せず、就労移行支援事業者などがアセスメント行い、就労継続支援B型が妥当と判断された者
(4)令和6年(2024年)度の報酬改定で、会社等に雇用されている障がいを持っている方について、 下記➊~❸の一般就労中の利用 が認められました。
❶労働時間の延長をめざす(労働時間延長支援型)
❷休職からの復帰をめざす(復職支援型)
❸おおむね週10時間未満の所定労働時間で一般就労への移行をめざす(就労継続支援短時間型)
に、一時的に就労継続支援B型の利用が可能となりました。
❸については、フリーランス、個人事業主といった雇用以外の形態でも、市町
村が認めた場合は利用可能となります。
就労継続支援A型との違い
雇用の有無 | 賃金 | 定員 | |
---|---|---|---|
就労継続支援A型 | 雇用(労働法規の適用) | 最低賃金保証 | 10名 |
就労継続支援B型 | 非雇用 | 工賃(法令上は 月額3000円以上) |
20名 |
指定時の要件
1 法人格があること
2 事業所の物件、間取りが適法であること
3 人的要件を満たしていること
4 その他
就労継続支援B型の人員配置基準
職種 | 配置数 | 常勤要件 | 備考 |
管理者 | 1名以上 | なし | |
サービス管理責任者 | 1名以上 | あり | 60:1 |
生活支援員 | 1名以上 | どちらかが常勤 | 10:1
7.5:1 6:1(令和6年度報酬改定で新設) 資格要件なし ※ 例えば、7.5:1は利用者7.5人につき生活支援員等が1人の体制という意味です。 |
職業指導員 | 1名以上 |
※管理者とサービス管理責任者の兼務可能
※大阪市では指定時の管理者と生活支援員等の兼務は認めていない。
就労継続支援B型の設備基準
設 備 | 要 件 |
訓練作業室 | サービス提供に支障のない広さを備えること。大阪市は利用者一人当たりの面積が約3.0㎡。3.3㎡の指定権者もあり。
最低定員が20名であることから一人当たりの面積が3㎡であれば、訓練指導室の最低面積は60㎡が必要。 |
相談室 | プライバシーに配慮できる空間にすること |
多目的室 | 相談室と兼務も可能 |
洗面所・トイレ | トイレ手洗いと洗面所の兼用は不可 |
事務室 | 鍵付き書庫 |
就労継続支援B型の報酬算定構造
①②のどちらかを選択
①「平均工賃月額」に応じた報酬体系
- 高賃金を実現している事業所をさらに評価報酬額について8段階で評価
②「利用者の就労や生産活動への参加等」をもって一律に評価する報酬体系
- 平均工賃額によって報酬体系が変わらない
の上記のどちらか一方を選択
平均工賃額について
令和4年度の平均工賃額は17,031 円と昨年度より3%程度増加しています。
➔ 詳しくは厚生労働省「令和4年度工賃(賃金)の実績について」を参照
令和6年度以降の算定構造
①平均工賃額に応じた報酬体系(従来と同じ1年間の平均工賃額に連動します)
区分 | 平均工賃 | 報酬単価金 |
---|---|---|
就労継続支援B型
定員20名以下(6:1) |
4万5千円以上 | 837単位/日 |
3万5千円以上~ 4万5千円未満 | 805単位/日 | |
3万円以上~3万5千円未満 | 758単位/日 | |
2万5千円以上~3万円未満 | 738単位/日 | |
2万円以上~2万5千円未満 | 726単位/日 | |
1万5千円以上~2万円未満 | 703単位/日 | |
1万円以上~1万5千円未満 | 673単位/日 | |
1万円未満(指定時はここ!) | 590単位/日 | |
就労継続支援B型
定員20名以下(7.5:1) |
4万5千円以上 | 748単位/日 |
3万5千円以上~ 4万5千円未満 | 716単位/日 | |
3万円以上~3万5千円未満 | 669単位/日 | |
2万5千円以上~3万円未満 | 649単位/日 | |
2万円以上~2万5千円未満 | 637単位/日 | |
1万5千円以上~2万円未満 | 614単位/日 | |
1万円以上~1万5千円未満 | 584単位/日 | |
1万円未満(指定時はここ!) | 537単位/日 |
②「利用者の就労や生産活動等への参加」を一律に評価する報酬体系
上記①は平均工賃で報酬単価が変化しますが、②は平均工賃による変化はありません。
定員20人以下(6:1) | 584単位/日 |
定員20人以下(7.5:1) | 530単位/日 |
※ ピアサポート実施加算(100単位/日)などの加算があります。
就労継続支援B型の加算
(1)届出が必要な加算
加 算 | 内 容 |
送迎加算 | 利用者を自宅等に自動車で送迎した場合に加算 |
福祉専門職員配置加算 | 良質な人材を確保するために資格等を持った福祉専門職員を配置等した場合に加算 |
目標工賃達成指導員等加配加算 | 目標工賃達成指導員を常勤換算1.0以上で配置し、職業指導員・生活支援員を7.5:1、目標工賃達成指導員・職業指導員・生活支援を6:1で配置した場合に加算 |
目標工賃達成加算 | |
就労移行支援体制加算 | 就労継続支援B型を利用後、6か月以上、利用者が一般就労を継続した場合に加算 |
食事提供加算 | 調理などをした食事を利用者に提供した場合に加算 |
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算 | 視覚・聴覚・言語機能に障がいを有する利用者が一定数以上で専門職員を配置した場合に加算 |
重度者支援体制加算 | 障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上、前年度の利用を行った場合に加算 |
福祉・介護職員処遇改善加算(特定含む) | 福祉介護職員に対してキャリパス等の要件を満たすことで加算 |
(2)届出が不要な加算
加 算 | 内 容 |
初期加算 | 新規利用者が利用開始日から起算し30日以内に利用した場合に加算 |
欠席時対応加算 | 利用予定がある日に急病等でキャンセルがあった場合に利用を予定していた日の前々日、前日、当日にキャンセルの連絡があった場合に加算 |
訪問支援特別加算 | 従業員が利用者宅を訪問し相談援助を行った場合、月2回まで加算 |
利用者負担上限月額管理加算 | 報酬請求時に上限管理事務を行う利用者負担上限管理事業所に対して加算 |
医療連携体制加算 | 医療機関等と連携することで看護職員が事業所を訪問するなどし利用者に対して看護や介護職員に対して喀痰吸引の指導を行った場合に加算 |
※代表的なものを記載しています。
就労継続支援B型の減算
減 算 | 内 容 |
サービス提供職員欠如減算、サービス管理責任者欠如減算 | サービス管理責任者、世話人、生活支援員が人員基準を満たすことができない場合に減算 |
個別支援計画未作成減算 | 個別支援計画の作成が行われていない場合に減算 |
定員超過減算 | 定員を一定割合で超過した場合減算 |
就労継続支援B型の会計基準
就労系サービスは厚生労働省が定めた就労会計に沿って、会計を行っていく必要があります。
そのためには労支援事業の会計書類の作成が必要になってきます。
- 就労支援事業別事業活動明細書
- 就労支援事業製造原価明細書
- 就労支援事業販管費明細書
- 就労支援事業明細書
就労継続支援B型の指定要件や押さえるべきポイントについて
就B、B型指定後の運営・運用について
障がい福祉事業・コラム
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