障がい福祉事業者のための【虐待防止のポイント】

障がい福祉事業者のための【虐待防止のポイント】

障がい福祉事業者の【虐待防止の取組み】

 

障がい福祉事業者には、利用者に対する虐待を防止することが求められます。

多くの事業所では、単に「虐待」と思われがちですが、虐待の多くが犯罪行為であることを認識して下さい。

また、従業員に対しても、虐待行為への認識を改めてもううことが重要です。

「障がい者虐待防止法」上の虐待類型

平成24年10月に障がい者虐待防止法(正式名称「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」)が施行されました。

身体的虐待  

【具体的例】

・殴る、蹴る、つねる、無理やり食べ物や飲み物を口に入れる

・身体拘束(やむを得ず行う場合を除く)

性的虐待

【具体的例】

・性交、性器への接触、性的行為を強要する、裸にする

・本人の前でわいせつな言葉を発する、又は会話する

・わいせつな映像を見せる、更衣やトイレ等の場面をのぞいたり映像や画像を撮影する

心理的虐待

【具体的な例】

・侮辱する言葉を浴びせる、怒鳴る、悪口を言う

・人格をおとしめるような扱いをする、無視する・侮辱的発言をする

④ 放棄・放置

 【具体的な例】

・食事や水分を十分に与えない、汚れた服を着させ続ける

・排泄の介助をしない、髪や爪が伸び放題、室内の掃除をしない、病気やけがをしても受診させない

・虐待を受けているのに放置する

経済的虐待

 【具体的な例】

・年金や賃金を渡さない、本人の同意なしに財産や預貯金を処分、運用する

・日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない

 

虐待行為と刑法

障害者虐待は、刑事罰の対象になる場合があります。

① 身体的虐待

:刑法199条殺人罪、第204条傷害罪、第208条暴行罪、第220条逮捕監禁罪

② 性的虐待

:  刑法第176条強制わいせつ罪、第178条強制性交等罪・ 第178条2項準強制性交等罪・第179条2項監護者性交等罪

③ 心理的虐待

: 刑法第 222 条脅迫罪、第 223 条強要罪、第230条 名誉毀損罪、第231条侮辱罪

④ 放棄・放置

: 刑法第218条保護責任者遺棄罪

⑤ 経済的虐待

: 刑法第235条窃盗罪、第246条詐欺罪、第224恐喝罪、第 252 条横領罪

等に該当する場合があります。

 

障がい福祉事業所による虐待防止

1 虐待の早期発見に努める

2 事業所・従業員による虐待発見時の通報

  • 虐待を受けたと思われる障がい者を発見した者は、市町村に通報しなければならない。
  • 虐待を受けた本人も市町村に届け出ることも可能

〇通報したことを理由として、解雇や不利益な取扱いすることは不可

〇平成27年の全国の総通報数は、2,160件 

 

〇市町村への通報により、

  • 実施指導・監査などの監督権限の行使
  • 措置等の公表

3 虐待防止の取組みポイント

障がい福祉事業所には、障がい者虐待防止法上、虐待防止のための措置を講じる義務が規程されています。

①管理者の責務 虐待防止の責任者
②理念や指針の明確化 行動規範作成、マニュアルの作成と周知徹底 等
③従業員の意識改革 単なる虐待から、虐待は「犯罪となる可能性がある」という意識改革
④虐待防止の組織作り 組織的対応 等
⑤人権意識を高める取組み 研修、ポスター掲示 等
⑥個別支援計画の作成 個別支援計画に基づいた支援 等
⑦開かれた運営 ボランティアの受入れや実習生の受入れ 等
⑧メンタルヘルスの体制整備 従業員の相談体制の構築 等
⑨苦情処理体制の構築 意見箱、苦情受付制度 等

 

ま と め

事業所の運営において、虐待対策を行うことは極めて重要なことです。

障がい者虐待防止法が施行され、通報の義務化と通報を受けた行政による実地指導の規定がされていますし、虐待が表面化すると、SNSなどにより、拡散されていきます。

なによりも虐待行為の多くは犯罪行為です。

就労継続支援A型、就労継続支援B型、共同生活援助(グループホーム)、放課後等デイサービス、生活介護、自立支援、居宅介護など、障がい福祉事業所では、いかに虐待を未然に防ぐか、虐待を行わせない組織を作ることが重要です。

 

 参考

平成27年度 厚生労働省調査資料 「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」

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