令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(グループホーム)

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(グループホーム)

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(グループホーム)

令和6年2月6日に「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第45回)」の会議があり、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要が発表されました。概要については、サービス単位ごとの内容でないため、ここでは共同生活援助(グループホーム)についてまとめました。

→ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(厚生労働省)

※ 現在はまだ案のため確定したものではないことをご了承ください。

 

基本報酬の見直し

世話人の配置基準に応じた基本報酬区分を改め、サービス提供時間の実態に応じて加算する報酬体系に見直します。

現在の4:1、 5:1、 6:1の区分を改めて、世話人の配置は「6対1」のみとなります。

令和6年4月以降~ 令和3年度~令和6年度
世話人の配置4:1 区分6 削除 667単位/日
区分5 552単位/日
区分4 471単位/日
区分3 381単位/日
区分2 292単位/日
区分1 243単位/日
世話人の配置5:1 区分6 削除 616単位/日
区分5 500単位/日
区分4 421単位/日
区分3 331単位/日
区分2 243単位/日
区分1 198単位/日
世話人の配置6:1 区分6 600単位/日 583単位/日
区分5 456単位/日 467単位/日
区分4 372単位/日 387単位/日
区分3 297単位/日 298単位/日
区分2 188単位/日 209単位/日
区分1 171単位/日 170単位/日

 

加 算

人員配置体制加算

世話人の配置基準4:1、5:1が削除されるにともない、その部分に、新たに人員配置体制加算が追加されることになりました。

配置するべき世話人および生活支援に加え、特定従業者換算方法(従業者の勤務延べ時間数を除すべき時間数を40時間として、従業者の員数に換算する方法)で、利用者の数を12か30で除して得た数以上の世話人また生活支援員が配置されていることが条件になります。

人員基準 単位
人員配置体制加算1 基準上の人員に加え、特定従業者数換算方法で 12:1 以上の世話人等を配置 区分4以上 83単位
区分3以下 77単位
人員配置体制加算Ⅱ 基準上の人員に加え、特定従業者数換算方法で 30:1 以上の世話人等を配置 区分4以上 33単位
区分3以下 31単位

 

重度障害者支援加算

重度障害者支援加算(Ⅱ) 重度障害者支援加算(Ⅰ)
(一) (二) (一) (二)
対象:区分4以上かつ行動関連項目10点以上の利用者

※生活介護支援員のうち20%を基礎研修了者を配置

※実践研修終了者を配置

対象:行動関連項目18点以上(新設)

※生活介護支援員のうち20%を基礎研修了者を配置

※実践研修終了者を配置

※中核的人材養成研修修了者を配置

対象:区分6以上かつ行動関連項目10点以上

※生活介護支援員のうち20%を基礎研修了者を配置

※実践研修終了者を配置

対象:行動関連項目18点以上(新設)

※生活介護支援員のうち20%を基礎研修了者を配置

※実践研修終了者を配置

※中核的人材養成研修修了者を配置

実践研修修了者が支援計画シートを作成し個別支援を行う

180単位

個別支援開始日から180日以内(新設)

400単位

中核的人材養成研修修了者が支援計画シートを作成し個別支援を行う個別支援(新設)

150単位

個別支援開始日から180日以内(新設)

200単位

実践研修修了者が支援計画シートを作成し個別支援を行う

360単位

個別支援開始日から180日以内(新設)

500単位

中核的人材養成研修修了者が支援計画シートを作成し個別支援を行う個別支援(新設)

150単位

個別支援開始日から180日以内(新設)

200単位

 

日中支援加算(Ⅱ)の見直し

これまで、1ヶ月につき3日目から算定可能だった日中支援加算(Ⅱ)について1日目から算定可能となります。

 

障害者支援施設等における医療機関との連携強化・感染症対応力の向上

感染者の対応を行う第二種協定締結医療機関と連携し、新興感染症の発生時に対応を取り決めることを努める(努力義務)。

また、協力医療機関が「第2種協定締結医療機関」である場合には、新興感染症の発生時等の対応についても協議を行うことを努める(努力義務)。

障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅰ)10単位/月

下記のすべて適合するものとして、1月につき所定単位数を算定

  • (1)第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。
  • (2)協力医療機関等との間で、感染症の発生時の対応を取り決め、感染症の発生時に協力医療機関等と連携し適切に対応することが可能であること。
  • (3)医科診療報酬点数表の「感染対策向上加算」又は「外来感染対策向上加算」に係る届出を行った医療機関が行う、院内感染対策に関する研修又は訓練に1年に1回以上参加していること。

障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅱ) 5単位/月

医科診療報酬点数表の「感染対策向上加算」に係る届出を行った医療機関から、3年に1回以上実地指導を受けている場合、算定。

 

新興感染症等施設療養加算 240単位/日

利用者が、別に厚生労働大臣が定める感染症に感染した場合、相談対応、診療、入院調整等を行う医療機関を確保している事業所で、利用者に対し、適切な感染対策い支援を行った場合、月5日を限度で算定。

 

強度行動障害を有する利用者への集中的支援加算の新設

状態が悪化した強度行動障害をする利用者へに対し、広域的支援人材が事業所等を集中的に訪問(情報通信機器を用いた地域からの助言指導も含む)し、適切なアセスメントと有効な支援方法の整理を共に行い、環境調整を進めることを評価する。

イ  集中的支援加算(Ⅰ) 1000単位/回

強度行動障害を有する利用者の状態が悪化した場合に、広域的支援人材が事業所等を訪問し、集中的な支援を行った場合、3月以内の期間に限り1月に4回を限度として所定単位数を算定。

ロ 集中的支援加算(Ⅱ)500単位/日

集中的な支援が必要な利用者を他の障がい福祉サービス事業所、障害者支援施設等から受け入れ、利用者に対して集中的な支援を行った場合、3月以内の期間について算定。

 

高次脳機能障害の利用者に対する加算

高次脳機能障害者支援体制加算の新設( 41単位/日)

高次脳機能障害を有する利用者が全体の利用者数の100分の30以上、かつ高次脳機能障害支援者養成研修を修了した従業者を事業所に50:1以上配置し、その旨を公表している場合に加算。

 

利用者の一人暮らしへの支援の取組み

グループホーム 一人暮らしの取組み

※ 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(厚生労働省)から抜粋

 

自立生活支援加算

自立生活支援加算(Ⅰ) 1,000単位/月 (対象 介護サービス支援型、外部サービス利用型)

現在共同生活援助を利用している利用者が、単身生活を希望し、かつ、可能と見込まれる利用者の退居に向けて、個別支援計画を見直し、一人暮らし等に向けた支援を行った場合、6月間に限り算定。

 居住支援法人や居住支援協議会に対して、月に1回以上、利用者の住宅の確保及び居住の支援に必要な情報を共有した場合、更に1ヶ月につき35単位を算定。

 居住支援法人と一緒に利用者に対して在宅での療養上必要な説明や指導を行った上で、自立支援協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に住宅の確保及び居住支援に係る課題を報告した場合、更に1月につき500単位を算定。

 

自立生活支援加算(Ⅱ) 500単位/回(日中サービス支援型のみ)

変更なし

 
自立生活支援加算(Ⅲ)

共同生活援助を利用するから一人暮らしを希望し、かつ、可能と見込まれる利用者の退居に向け、一人暮らし等に向けた支援を行い、下記の要件をすべて満たす場合に、1日につき所定単位数を算定する。

要件
① 利用者の希望を踏まえ、その退居後に一人暮らし等へ移行することを目的とした住居(移行支援住居)を1以上有すること。

移行支援住居の定員が2人以上7人以下であること。

③ 事業所に配置するサービス管理責任者に加え、専ら移行支援住居に入居する利用者に対する支援に従事するサービス管理責任者であって、かつ、社会福祉士又は精神保健福祉士の資格を有するものが7:1以上配置されていること。

移行支援住居を希望する利用者の入居に際して会議を開催した上で、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成すること。

移行支援住居の入居者に対し、引越し先の物件の確保その他退居後の一人暮らし等をするための活動に関する相談、外出の際の同行、障害福祉サービス事業者等や医療機関等との連絡調整等の支援を実施すること。

⑥ 居住支援法人または居住支援協議会に対して、定期的に利用者の引越し先の物件の確保や居住の支援に必要な情報を共有すること。

⑦ 居住支援法人と共同して、利用者に対して在宅での療養上必要な説明及び指導を行った上で、自立支援協議会や保健・医療・福祉等の関係者による協議の場に対し、住宅の確保や居住支援に係る課題を定期的に報告すること。

  • 利用期間が3年以内の場合 80単位/日
  • 利用期間が3年を超えて4年以内の場合 72単位/日
  • 利用期間が4年を超えて5年以内の場合 56単位/日
  • 利用期間が5年を超える場合 40単位/日  

 

退去後共同生活援助サービス費

自立生活支援加算(Ⅰ)か(Ⅲ)を算定し退去した利用者に対し、利用者の自宅を訪問し、以下の2つの要件を全て満たす内容の支援をした場合に、退去日の属する月から3ヶ月間に限り、2000単位を算定。

要 件

①利用者の一人暮らし等へに当たって会議を開催し、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成すること

②概ね一週間に1回以上、利用者の居宅を訪問し、利用者の心身の状況・環境・日常生活全般の状況把握を行い、必要な情報の提供・助言、相談し、障害福祉サービス事業所や医療機関などと連絡調整の支援を実施すること

 

ピアサポート実施加算、退去後ピアサポート実施加算 100単位/月

ピアサポート研修修了者が利用者に対して、その経験に基づき相談援助を行い、下記要件に全て満たす場合に算定

①自立生活支援加算(Ⅲ)または退去後共同生活援助サービス費を算定していること

②ピアサポート研修修了者を従業者として2名以上(うち1名は障がい者等)を配置していること

③②のピアサポート研修修了により、事業所の従業員に対して「障害者に対する配慮等に関する研修」が年1回以上行われていること

 

 

共通項目の改定事項

意思決定支援の推進

サービス担当者会議、個別支援計画の会議で、本人の心身の状況等によりやむを得ない場合を除き、利用者本人の参加を原則として会議に参加し本人の意向等を確認することとする。

 

本人の意向を踏まえた同性介助

解釈通知に「本人の意思に反する異性介助がなされないよう、サービス管理責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保に努めるべき」旨明記。

 

虐待防止と身体拘束適正化の推進

虐待防止はこれまで減算規定はありませんでしたが、今回導入。身体拘束適正化は減算額が多くなりました。

令和6年度の新減算数 令和5年までの減算数
虐待防止 1% なし
身体拘束適正化 10% 5単位/日(利用者全員)

 

個別支援計画の共有

事業所が作成した個別支援計画を相談支援事業所と共有することになりました。

 

人員基準における両立支援への配慮

・ 「常勤」の計算・・・職員が育児・介護休業法等による育児・介護等の短時間勤務制度を利用する場合に加え「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合にも、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。
・ 「常勤換算方法」・・職員が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認める。

 

障がい福祉現場の業務効率化を図るためのICTの活用

管理者の兼務

同一敷地内等に関わらず、同一の事業者によって設置される他の事業所等の管理者または従業員を兼務することが可能になります。

この場合管理者は責務を果たせる場合であり、事故発生時の緊急対応について、予め対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる体制を整える必要があります。

管理者のテレワーク

管理上支障が生じない範囲においてテレワークにより管理業務を行うことが可能になります。

この場合、利用者及び従業員と管理者の間で適切に連絡を取れる体制を確保し、利用者の体調の急変、災害発生時等、緊急時の対応をあらかじめ定め、必要に応じて管理者が速やかに出勤できるようにしておく必要があります。

 

業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組(BCP)の強化

感染症または非常災害のいずれか、または両方の業務継続計画が作成されていない場合、基本報酬を減算(1%)となります(令和7年3月31日のまでの間「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」及び「非常災害に関する具体的計画」の策定を行っている場合には、減算を適用しない)

 

情報公表未報告の減算

障害福祉サービス等情報公表システムが未報告となっている事業所に対する情報公表未報告減算(5%)を新設します。

 

 

グループホーム固有の改定事項

地域連携(令和7年度から義務化)

各事業所に「地域連携推進会議」を設置し、地域の関係者を含む外部の目または第三者の評価を定期的に入れる取り組みを義務付ける。

地域連携推進会議は、利用者、その家族、地域住民の代表者、共同生活援助について知見を有する者、市町村の担当者により構成され、年一回以上開催し運営状況を報告し必要な要望、助言等を聞く機会を設けなければならない。またこの報告・助言等について記録を作成し公表するする必要がある。

会議の開催以外で一年に一回以上は会議の構成員が事業所見学の機会を設けなければならない。

 

個人単位の居宅介護等の利用の特例の取扱い

令和6年3月31日までの重度障害者の利用者の個人単位での居宅介護の利用について、経過措置が令和9年3月31日まで延長されます。

また、8時間以上の居宅介護等の支援があったば場合は、所定単位の95%になります。

 

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〇 ご依頼希望の方につきましては、料金表をご覧ください。

 

申し訳ありません。無料相談は行っておりません。

 

 

 

 

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