児童発達支援管理責任者とは?要件や注意点を説明

児童発達支援管理責任者とは?要件や注意点を説明

児童発達支援管理責任者とは?要件や注意点を説明

児童発達支援管理責任者(通称「児発管」)は、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援において、支援の中心的な役割を担う職種です。

児発管になるためには、単に資格を取得すればよいわけではありません。

実務経験の要件を満たしたうえで、所定の研修を修了する必要があります。

特に現在の研修制度では、

相談支援従事者初任者研修(2日課程)+基礎研修

OJT(原則2年以上)

実践研修

児童発達支援管理責任者として配置

という流れが基本となっており、一定の要件を満たした場合にはOJT期間を「6か月以上」とする特例も設けられています。

この記事では、児童発達支援管理責任者の実務経験、研修、配置までの流れについて解説します。

児童発達支援管理責任者とは?

児童発達支援管理責任者は、障害児通所支援等において、利用児童に対する支援全体を管理する重要な職種です。

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、利用児童や保護者のニーズを把握したうえで、個別支援計画を作成し、その内容に基づいて支援を行います。

児発管は、

  • 利用児童・保護者に対するアセスメント
  • 個別支援計画の作成
  • 個別支援計画の見直し・モニタリング
  • 支援内容に関する関係職員との調整
  • 保護者への説明・相談対応
  • 関係機関との連携

など、支援のプロセス全体に関わります。

児童発達支援・放課後等デイサービスの指定基準全体については、別記事で解説しています。

→ 放課後等デイサービス、児童発達支援の指定基準のページ

児童発達支援管理責任者になるための要件

児童発達支援管理責任者として配置されるためには、大きく分けて、

① 実務経験要件
② 研修要件

の両方を満たす必要があります。

「保育士だから児発管になれる」「社会福祉士だからすぐに児発管として配置できる」というものではありません。

これまでの職歴がどの実務経験区分に該当するのか、必要な研修をどこまで修了しているのかを個別に確認する必要があります。

児発管に必要な実務経験

実務経験は、大きく、

相談支援業務

直接支援業務

一定の国家資格等による業務

などによって必要な経験年数が異なります。

また、児童発達支援管理責任者の場合には、児童または障害者に対する支援業務について一定の経験が必要となる点にも注意が必要です。

実務経験の判定は職種名だけで行うものではありません。

「どの施設・事業所で」「どのような業務に」「どの程度の期間従事したのか」

まで確認する必要があります。

そのため、児発管候補者を採用するときは、履歴書だけを見て判断しないことが重要です。

児童発達支援管理責任者の資格と実務経験年数

 資格要件         A 実務経験 B 研修受講要件 
  業務の範囲  

 

児童又は障害者に対する支援を内容とする業務に従事した期間が通算3年以上

相談支援  

     

相談支援業務として

5年かつ900日

地域生活支援事業、障がい児相談支援事業、身体障がい者相談支援事業、知的障がい者相談支援事業の従事者

児童相談所、児童家庭支援センター、身体障がい者更生相談所、精神障がい者社会復帰施設、知的障がい者更生相談所、福祉事務所、発達障がい者支援センターの従業者

障がい児入所施設、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センターの従業者

障がい者職業センター、障がい者就業・生活支援センターの従業者

学校教育法1条に規定する学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校など)における職業教育の業務の従事者(大学は除く。)

⑥病院、診療所において相談支援業務に従事する者で、次のいずれかに該当する者

 社会福祉主事任用資格者、訪問介護員2級以上に相当する研修修了者、相談支援専門員等、保育士、児童指導員、障害者社会復帰指導員で、上記①から⑤の実務経験が1年以上のもの

 

※①から⑥は、その他準ずる施設・事業・機関の従業者又は準ずる者を含みます。

 

・相談支援初任者研修(2日以上)

&

・児童発達支援管理責任者研修

※2

①直接支援(有資格者) 社会福祉主事任用資格

ヘルパー2級以上

児童指導員任用資格

保育士

精神障がい者社会復帰指導員任用資格者

直接支援業務※1として5年かつ900日(無資格の場合は、8年かつ1440日) 

児童福祉施設(障がい児入所施設、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童家庭支援センター、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設)、その他これに準じる施設の従事者

障害者支援施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、病院または診療所の療養病床、その他これらに準じる施設の従事者

〇児童福祉に係る事業(児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業及び子育て援助活動支援事業)、その他これらに準じる施設の従事者

障がい福祉サービス事業、老人居宅介護等事業、その他これらに準じる施設の従事者

病院若しくは診察所または薬局、訪問看護事業所、その他これらに準じる施設の従事者

特例子会社、助成金受給事業所、その他これらに準じる施設・機関の従事者

〇学校教育法1条に規定する学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校など)における職業教育の業務の従事者(大学は除く。)

②国家資格

 

  • 医師・歯科医師・薬剤師・保健師・看護師
  • OT・PT・ST
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 精神保健福祉士
  • あんま・はり・きゅう・柔整整復師
  • 視能訓練、義肢装具、歯科衛生士
  • 栄養士、管理栄養士

相談支援、直接支援の通算が3年以上

かつ

国家資格による業務に5年以上従事

 

上記は簡易表です。

詳しくは、大阪府の「児童発達支援管理責任者の要件となる実務経験について」を参照にして下さい。

  • ※1 直接支援業務とは・・・「直接支援の業務」の定義について,「日常生活における基本的な動作の指導,知識技能の付与,生活能力の向上のために必要な訓練その他の支援を行い,並びにその訓練等を行う者に対して訓練等に関する指導を行う業務」

例:1

保育士が保育園で5年かつ900日勤務

  • 障がい児の経験は不要

例:2

教員免許を持ち小学校で5年かつ900日勤務

  • 支援学級等の勤務は不要

実務経験証明書

上記の要件を満たしているかどうかは、以前の就業先で実務経験証明書を記載してもらう必要があります。

指定(許可)申請時には、必ず実務経験証明書が必要ですし、児童発達支援管理責任者の変更時にも必要です。

注意して欲しいのは、事業所を運営する会社が倒産しており、連絡がつかない場合は、実務経験証明書の取得が困難となり、証明する書類がない状態では、児童発達支援管理責任者として認められないことです。

  • ※ 実務経験証明書記載される「〇年以上の実経験」とは・・・業務に従事した期間が1年以上であり、かつ実際に従事した日数が1年あたり180日以上であることです。

過去の勤務先での経験を実務経験として使用する場合、原則として以前の勤務先等から実務経験を証明してもらう必要があります。

ここで問題になるのが、

「本人は5年間勤務したと言っているが、実務経験証明書が取得できない」

というケースです。

例えば、

  • 以前の法人が廃業している
  • 法人と連絡が取れない
  • 勤務記録が残っていない
  • 実際に担当していた業務内容を証明できない

などの問題が生じることがあります。

そのため、児発管候補者を採用してから確認するのではなく、採用前の段階で実務経験証明書を取得できるか確認することをお勧めします。

児発管になるまでの研修の流れ

現在の児童発達支援管理責任者の研修制度では、基本的に、

基礎研修

OJT

実践研修

児童発達支援管理責任者として配置

という流れになります。

令和元年度から研修体系が見直され、基礎研修実践研修に分けた段階的な養成体系となっています。

1 基礎研修

まず、児童発達支援管理責任者として必要となる基礎研修等を受講します。

ただし、基礎研修を修了しただけでは、原則として児童発達支援管理責任者として配置することはできません。

ここは、事業者からのご相談でも誤解されることが多いポイントです。

基礎研修修了後、必要な実務経験(OJT)を経て実践研修を修了することが基本となります。

2 基礎研修修了後のOJT

原則として、基礎研修修了後、2年以上の実務経験(OJT)が実践研修の受講に必要です(相談支援研修を受講していない段階ではOJTは始まりません)。

一方、令和5年6月の制度改正により、一定の要件をすべて満たす場合には、このOJT期間を「6か月以上」とする取扱いが設けられています。

OJTを6か月以上とできる場合

OJT期間を6か月以上とするためには、単に「基礎研修修了後に6か月勤務した」というだけでは足りません。

① 基礎研修受講開始前日に、すでに児発管の配置に必要な実務経験要件を満たしていること
② 個別支援計画作成の一連の業務に従事すること
③ その業務に従事する旨を指定権者へ届け出ること

などの要件を満たす必要があります。

6か月以上のOJTの対象とするためには、個別支援計画の原案作成からモニタリングまでの一連の業務に従事する必要があります。

また、この業務に従事することについて、あらかじめ指定権者へ届出を行う必要があります。

したがって、単に基礎研修修了後に6か月以上勤務しただけで、OJT期間が6か月に短縮されるわけではありません。

「基礎研修受講開始前時点の実務経験」「個別支援計画作成の一連の業務への従事」「指定権者への届出」などの要件を個別に確認する必要があります。

したがって、

基礎研修を受けた

6か月働いた

実践研修を受けられる

と単純に判断しないよう注意してください。

6か月OJTの対象になるかどうかは、研修実施主体等の要件を事前に確認することをお勧めします。

正式配置までの流れ

※指定権者の変更届受理が条件です。

※平成31年研修についてはカリキュラム統一のため、分野別はなくなりました。

児発管には更新研修があります

児童発達支援管理責任者は、一度実践研修を修了すれば、その後ずっと研修を受けなくてよいわけではありません。

現在の研修体系では更新研修が設けられています。

更新研修については受講期限の管理が非常に重要です。

必要な更新研修を期限までに修了していなければ、児童発達支援管理責任者として配置できなくなる可能性があります。現行告示では、原則として5年度ごとの期間内に更新研修を修了する仕組みとなっています。

法人側でも、

「児発管がいつ実践研修・更新研修を修了したのか」

を把握しておくことが重要です。

「児発管になれると思って採用した」が最も危険

児童発達支援・放課後等デイサービスの開業相談で特に注意していただきたいのが、人員配置です。

例えば、

「保育士として長く働いていたので大丈夫だと思った」

「以前の勤務先で児発管候補と言われていた」

「基礎研修を修了しているので児発管として配置できると思った」

という理由だけで採用を進めるのは危険です。

実務経験・研修修了状況・実務経験証明書を確認した結果、児発管として配置できないことが判明するケースがあります。

児発管を配置できなければ、新規指定そのものに影響する可能性があります。

開業予定の場合には、物件契約と同様に、児発管候補者の要件確認を早い段階で行ってください。

児発管が退職した場合にも注意

既存の児童発達支援・放課後等デイサービスでは、児発管の退職が事業運営に大きな影響を与えます。

後任の児発管を配置できない場合には、児童発達支援管理責任者欠如に伴う減算の問題が生じます。

さらに、児発管が不在となり個別支援計画の作成・見直しができない場合には、個別支援計画未作成減算にも注意する必要があります。

令和6年度報酬改定後も、児発管が未配置の場合の個別支援計画等について特別な取扱いがありますが、一定の計画を作成した場合であっても個別支援計画未作成減算そのものが適用される場合があります。

そのため、

「児発管が辞めてから後任を探す」

のではなく、児発管が退職することが分かった段階で、指定権者への届出、後任配置、減算、個別支援計画への影響などを確認する必要があります。

児童発達支援管理責任者の要件は必ず個別に確認する

児童発達支援管理責任者の要件は非常に複雑です。

同じ「保育士5年」「障がい福祉5年」という経歴でも、

勤務先・業務内容・資格取得時期・実務経験の日数・研修修了時期

などによって判断が変わることがあります。

特に、

「この経歴なら児発管になれますか?」

という判断は、インターネット上の簡易表だけで確定させない方が安全です。

採用や配置を決める前に、実務経験証明書や研修修了証を揃え、指定権者や研修実施主体等に確認することをお勧めします。

 

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