就労継続支援A型での平成29年度(新基準)省令改正について解説

就労継続支援A型での平成29年度(新基準)省令改正について解説

就労継続支援A型は、法の趣旨、厚生労働省令、各自治体条例の規定に違反・抵触または不適切な運用を行っている事例が全国的に散見され、行政でも問題となっています。

これを受けて厚生労働省令などが平成29年4月1日より改正となりました。

※ 当記事は、平成29年3月30日付け、厚生労働省社会援護局障害保険福祉部障害福祉課長発行文書を参考に作成しています。

不適切な支援を行っている事例

  • 収益性の低い仕事しか提供せず、就労継続支援A型事業の収益だけでは最低賃金を支払うことが困難(収益性の低さ) 
  • 利用者の意向や能力等を踏まえた個別支援計画が策定されていない(アセスメント力の不足)
  • 利用者の意向等にかかわらず就労継続支援B型事業所に移行させるなど、不当に退所させている

不適切な支援を受けての省令改正

  • 利用者の就労に必要な知識及び能力の向上に努め、利用者の希望を踏まえた事業内容にすること。
  • 生産活動に係る事業の収入から必要経費を控除した額に相当する金額が、利用者に支払う賃金総額以上となるようにすること。
  • 利用者への賃金及び工賃を訓練等給付費から支払うことは原則禁止。
  • 事業所の運営規程に事業内容(生産活動に係るものに限る。)、利用者の労働時間及び作業時間、賃金及び工賃を規定する。

事業所の対応

個別支援計画書新様式での作成(指定基準191条関連)

  • 記載内容が、「画一的なものとなっている場合」「虚偽がある場合」等には、指定基準第 191条第3項から勧告、命令の措置を講じ、指定の取り消しや停止を検討となる。

経営改善計画書の作成(指定基準192条関連)

  • 下記図参照
  • 経営改善計画期間中の具体的改善策と実施時期等の作成
  • 経営改善計画に係る報告

 

指導の流れ

運営規程の変更(指定基準196条の2関連)

新たに運営規程記載事項の追加を行う。

  • 主な生産活動の内容
  • 利用者の労働時間、月給、日給又は時間給   
                                                             

上記内容が記載された運営規程の提出について、行政の指導にも関わらず、作成・提出を行わない場合や記載内容に虚偽がある場合などには、指定基準第 196 条の2から勧告、命令の措置を講じ、指定の取消又は停止の検討となる。

情報公表

決算書や生産活動の内容、平均月額賃金について「自治体ホームページ」若しくは「事業所ホームページ」にアップする。

まとめ

就労継続支援A型については、不適正運営が続いており、今後指導がはいる事業所が増加することは確実ですので、収益性のある事業を適切な運営で行うことが必須になってきます。

また、行政への提出書類は、期限厳守で提出することが重要です。

大阪市中央区谷町四丁目のWPP行政書士事務所では、就労継続支援A型の適切な運営や実地指導へのコンサルティングを行っておりますので、是非ご利用下さい。

 

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