障がい福祉事業者の【虐待防止の取組み】 …
グループホーム(共同生活援助)の運営は簡単か?
共同生活援助(障がい者グループホーム)の運営は簡単か?
当センターには「グループホームの運営をしているが運営状況を確認して欲しい」というご相談を受けます。また、グループホームの顧問先も数社あります。
そこから見えてくるのは、365日開所している入所系のグループホームならではの、コントロールが難しい悩みごとがあります。
ですから、指定を受けて、簡単に運営できる訳ではありませんし、楽に儲けられるような事業ではありません。
楽に儲けられるのか?
既に「楽に儲けることができない。」とお話しましたが、HPを見て電話を頂く際に、時折、「楽に儲かると聞いた。」と仰られる方が時折おられます。
このHPでは淡々と法令に基づいた解説をする場合が多いのですが、今回はグループホームの運営について、本当に楽に儲かるかどうかということを話したいと思います。
障がい者を持った方を預かるグループホームの事業主さんが悩む・困る部分5点を説明します。
①従業員の募集や継続雇用に苦労する
365日運営の事業・勤務の基本は泊まり勤務となり、人を集めにくい。
- 人員配置基準があるので、基準上の配置義務がある。
- 人がいないからと言って、ホームを空で運営することができない。(社長さんが泊まり勤務を行い穴を埋めている事業所も珍しくありません。)
住居追加を行っている場合、研修により、スキルアップさせたいが、勤務時間やホームの仕事が忙しく難しい
- 日中型と違い、勤務時間の制約を受けやすい。
②利用者の行動
利用者の行動により、管理体制が問われることがあります。下記のあり得る行動を列挙します。
行方不明となる。
- 事業所で探しに行ったり、見つからなければ警察へ捜索願を出しに行く必要がある。
暴力行為(利用者の機嫌が不穏な場合に注意する)
- 他利用者への暴力
- 従業員への暴力
- 通行人など第三者への暴力
騒音や行為
- 利用者が出す声・音などで近所と関係が悪くなる
③保護者との関係
④運営基準(実地指導での指摘事項)
通常業務が忙しいなかでも、書類をしっかり記載する必要がある
人員配置基準を守る必要があります。
⑤その他
従業員の虐待行為
物、お金が無くなる(窃盗)
まとめ
上記5点は、グループホームについて回ることが多いといえ、簡単には経営できません。
当然利用者をお預かりするという責任があります。
特に2、3つに住居を追加した際、管理が難しくなりまた、目が届きにくくなることから事故が起こりがちとなります。
グループホームを開業・起業を考える場合は、最低でもトラブルは起こりえるということを念頭に置いて下さい。
当センターとしましては、グループホームの指定申請などの業務が増えることは歓迎なのですが、途中で「こんなはずではなかった。」ということで、グループホーム事業を辞めることが適当なのかということを考えてしまいます。
もしかすると、この記事については嫌事と考える方もおられるかもしれません。また、業務受注が減ることもあるのですが、敢えてこの記事を記載しております。